「初期短編集 壱」作品解説
北所ゆうが

(おもて表紙)
(うら表紙)
表紙画:坪井亜紀子
表紙デザイン:北所ゆうが
「真夏の骨音」
「硝子の鱗」
「殻漠の欠片」
「花匂ヰノ匚」
「土手の黒斑」
「優陽射さるる湯番乃薪」
「香木の塩漬」
「錆びた汽缶車」
「陰干の邪奸 -未発表作-」
画文作品集「豆腐」より
「豆腐の陰」
「雨後色の影法師」
「夕幻の佇居」
「畳上の秋陽」
もくじ
まず初めに、初期短編集刊行の際、僕の作品の一つ一つに表紙絵を描き下ろしてくださった黒川じょんさん、坪井亜紀子さん、そしてあとがきをお寄せ下さった漫画家の高野美香さん、本当にありがとうございました。皆様には心より感謝申し上げます。
この初期短編集は過去に刊行されていた冊子に掲載されたものを改題、そして大筋は変えず大幅に加筆修正した作品群です。過去に発行していた冊子などに関しては東京の中野、名古屋、長野のZINEを置いてくださる書店で販売していただいていたのですが、本作品に関しては全て私本人へご連絡いただき販売しておりました。再販を予定していない三百冊ほどの少部数発行であったため、現在私の手元に作品はほとんどありません。
さて、掲載作品についてですが、本短編集刊行にあたって、すでに完成した作品の一つ一つを見詰め直し、再構築していく作業は本当につらく苦しいものでした。校正をしながら文章を加え、文章を加えればまた校正をやり直す作業。しかし、それでもやり遂げることができたのは、後々思い返せば人生の記録として残したかったからだと感じています。後世に残ることは無くても自身の原風景を自身が消えるまで自身の手元に置いておきたかった。それが原動力になったのだと思います。
この短編集には、僕が物心ついた頃から三十代くらいまでの世界を詰め込んでいます。幼い頃に育った町で見てきたもの、自身が触れた小さな世界での出来事、そのなか
で育まれた空想や妄想。数々の物語はその空想や妄想に現実を織り交ぜ生まれた幻想怪奇小説です。それ以外を各作品の特徴とするならば、僕は固有名詞を登場させることが好きでは無いため、全作品共通して固有名詞のついた人物が登場することはありません。つまり登場するのは、ぼく、きみ、わたしやあなたです。この小説の原稿は校正の段階で何百回と読み直した作品群ですが、暫くして読み返すとまた書き直したくなる。当解説に向けて読み直さなければなりませんが、以降もうこの作品達を読み返すことはしないでおこうと思います。なお、この短編集に入りきらなかった作品でまだ本として出したい物語があるので、いずれそちらに注力していきたいと考えています。
それでは、以下にそれぞれの作品について自身で回想しながら作品の生まれた経緯や特色、あらすじ、執筆当時の事柄などを記していこうと思います。なお、表紙画も同時に公開いたしますが著作権は黒川じょんさん、坪井亜紀子さんにありますので無断使用などはご遠慮願います。なお、絵画作品についてお問合せがございます場合は、〝お問合せ〟よりご連絡ください。







