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ソフトフォーカスの花

​散文

  いまの自分ってさ、

     過去でできてんだよ。

乾燥した野花のクローズアップ

更新日:3月29日

時計の秒針が長いあいだ止まっているように見えるのは

クロノスタシスと呼ばれるが、僕の場合たびたび人が

止まっているように見える。

マネキンのように人がまったく動かなくなる時がある。

調べたところ、これは現実感消失症というそうだ。

僕は自身の作品も去ることながら現実を消失させたいのだろう。

空にふわふわと浮かぶ小鳥達。

小鳥達も僕らと同じでリズムとパターンで生きている。

ただふわふわと浮かんでいるわけではないのだ。

決して自由では無い。好きなところへ、好きな餌場へ行けるわけでは無い。

窮屈に、肩身の狭い思いをして、仲間達と共にやっと生きているのだ。

〝悲しみのない自由な空〟を求めて。


 お気に入りの槇塚鉄工所の鉄薬缶を持ってわざわざ野良へゆく。レンメルコーヒーを作る為だけにわざわざ焚火道具や珈琲豆を持って。家のガスコンロで火にかければ15分でできる物をわざわざ何時間もかけて野良へゆくのだ。

有意義な命の浪費のために。

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